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2007年5月30日 (水)

レース中に何を考えているか

読者がいないのに真面目に長文エントリーを書くシリーズ。
今日はレース中に何を考えながら走っているのかに焦点をあててみよう。

私の出場するようなイベントレースはとても短い周回でレースが終わる。あまり長くしても体力的に持たない人たちばかり出ているので、肉体的にも限界を超えるし、集中力が欠如して危険な状態になるし、オートポリスのように2分程度で周回するサーキット場合はわずか7週くらいである。

さて、シグナルブラックアウト(以前はグリーンシグナル点灯だったが現在は全て消灯がスタートの合図)で決勝が始まった。

予選は4番手であった。この場合は2列目からのスタートである。

スタートのクラッチミートそのものはそんなに悪くなかったが、1コーナーまでの間に排気量の大きなバイクが1台前に出てしまった。なお、スタートの際は一番危険な瞬間であるし、興奮もしているので、1コーナーまでに何速にシフトアップしたのかわからなくなることが多い。私はそれなりにベテランなので、ヘルメットの中で大きな声でシフトアップするたびにカウントしている。オートポリスの1コーナーは3速で進入するのであるが、スタート直後に混乱してしまうのを防ぐために大声で確認しているのである。

1コーナーを立ち上がったところで自分が5番手であることを確認。同時に後ろを振り返って6番手のマシンの位置も確認する。2コーナーで前に出るためには、後ろからインを刺されたりしないことが前提なので確認しておくのである。しかし、スタート直後は各車がラインを交差して走ることも多く、オーバーテイクは危険でもあり、冷静に様子を見ることにする。

ここで順位を整理しよう。仮に記号を付ける。
1:Z
2:A
3:B
4:C
5:ガレ兵

トップに立っているZは違うクラスを走っているマシンであり、私の順位には直接関係がない。私の相手はA,B,Cたちである。つまりクラス順位としては4番手だということだ。このZはストレートが速く、1週目から後続を引き離そうとしている。とりあえずこいつは逃がしても仕方ないだろう。

無事に1周目を終えてストレートでサインボードを確認して、残り周回が6周であることを今一度頭に叩き込む。ここからはトップに出るために考える必要がある。

4番手ということは3台を抜かなければならない。残りが6週。2週で1台を抜いていく計算だが、これはちょっと難しい。しかし、冷静に考える。まず、1周走った感触ではB,Cの2台は抜けると思う。こいつらは走りが洗練されていない。追いつけばどこでも抜ける自信がある。しかし、Aは私と同じ選手権上がりだろうか、ラインも安定してスキが無いきれいなライディングである。こいつは手こずりそうなのでできるだけ早くB,Cを抜きたいと思う。

2周目の最終コーナーの侵入でCのインに入る。しかし、こいつは1000ccなので続くストレートで追い抜いてくるだろう。そのため、ストレートはレコードラインを走らずに真ん中を走行することでインに入らせないようにしよう。アウトから抜かれてもブレーキングで前に出れるだろうし、インから来ても無理なライン取りになるはずなので、1コーナーの侵入でこいつはきっとスピードオーバーするはずだ。

案の定、ストレートでCはインからガレ兵を抜いていったがそのまま1コーナーに対して曲がりきれずに私がラインを交差させて再度前にでる。もうこのマシンは二度と私の前に出ないだろう。

Bも1000ccである。こいつは4周目のヘアピンの進入で安全にパスをする。

そうしながらもAと自分の差が何秒あるのかを毎周ごとにきちんと確認する。

残りはA。同じ600ccで、多分、選手権上がりのライダーである。コーナーの出口で今一度冷静に何秒の差があるのかを計算する。約3秒遅れている。残りは3週。1周で1秒縮めないといけない。ラスト1周で勝負はしたくない。抜きそこなうとそのままゴールとなってしまうからである。しかし差が縮まらない。焦るが残り2周の段階でも同じ差である。

しかし同じ40歳以上のライダーである。私には確信があった。きっと体力面でAには限界が来るはずである。こいつはペースが落ちるはずである。ここは諦めるとダメだ。ガレ兵にはトレーニングで鍛えた肉体で体力的なアドバンテージがあるはずだ。

予想通りに一気に差が縮まってきた。ラスト周回に入るストレートでスリップストリームに入ることができた。6周目にガレ兵はベストラップを叩き出した。予定通り。しかし7周目で終わりである。安全に抜けて、かつ、その後で一気に逃げるポイントを考えると、ヘアピンの進入でいくしかない。ここで失敗するとそのまま2番手でゴールだろう。

いろいろな思いを乗せてヘアピンで飛び込むしかない。
勝つためにやっている。

狙いすましてヘアピンの直前からラインを被せて立ち上がり、ドンピシャでインに飛び込むことができた。ここでトップ。あとは逃げるだけ。もうAには追いかけてくる体力的な余裕もないはず。

あとはチェッカーに向かって後ろを振り返らずに走るだけ。
ただ、それだけである。

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コメント

読者がいなさそうな話題になると登場する通りすがりです。

なるほど、こんなこと考えながら走っているんですね。
排気量の小さな車輌で排気量の大きい車輌をちぎるとはさすがプロです。レースでではありませんが私も精進しなくては。。。

投稿: 通りすがり | 2007年5月30日 (水) 23時42分

精進して、はやく1300を購入してください。もう注文している頃だとは思っていますが。

投稿: ガレージ兵頭 | 2007年5月31日 (木) 08時31分

土・日とHSRへ選手権に行ってきました。

600のレコードは7秒台ですよ7秒。
私なんてまだ15秒なのに… まぁ、こっちはN250ですけどね。

チームの方は2~3人転ばれてましたけど大丈夫だったでしょうか?

投稿: nsr | 2007年6月 4日 (月) 17時31分

見に行こうかと思ったんですがどうしても外せない用事がありまして。。。
ライフのチーム員こけたんですか?
すいません、全く知りませんでした。

投稿: ガレージ兵頭 | 2007年6月 5日 (火) 22時52分

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